そういう訳でダンス部の顧問になり、現在も顧問を続けている。
要はこの一条高校でダンス部の顧問を積極的にやってやろうという感じの人物は誰ひとりとしていなかったということである。
まあ一条高校に限ったことでもない。専門的な技術指導ができなければ顧問を引き受けることにより同時にある種の苦難を引き受けるということにもなりかねない。できれば避けたいと思うのが人情ではある。
とはいうものの、ただ茫然とこの第1回目の職員会議をやりすごしたわけではない。会議後、すぐに校長のところに行って、ことの真実を確かめようとした。
どういうことですか?
そもそも事前に何の打診もない。この種のケースであれば普通、それとなく打診があってもよかろう。これではまったく寝耳に水やんか。
ダンス部の顧問というのはいったいどういうことなんかと。補助的な副顧問ならまあ問題はない。
主顧問というのは。そしてこの4月からここで働き始める男がなぜダンス部の顧問になるのか。
そもそもダンス部っていったい何?
何踊ってんの?
校長から特段詳しい説明はなかった。腑に落ちるような、なるほどそういうことか、というような。
それはそうであり、校長にしても、実は引き受け手がなかなか見つからんのやとはさすがに言えないやろうしな。
ダンス部をなんとか盛り立ててくれ、と。当時の校長はそれだけ言った。
それだけである。
お安い御用だ、とはならんよな。
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